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vol.20 呼吸法で心もからだもリラックス
監修:トータルヘルスセンター Be-Well! ヨガ呼吸法講師 加藤眞智子
呼吸は生きている限り誰もが無意識のまま当たり前にしているものです。しかし、意識的に呼吸をすることで、心身をリラックスさせ、からだの免疫力を高める健康法に変わります。効果的な呼吸の方法を知って、心とからだの健康に役立てましょう。

呼吸がからだにもたらす影響とは?
呼吸は「自律神経」に支配されています。自律神経とは、意志とは無関係に内臓の働きを支配し、調節する神経。心臓や呼吸器系の働きを活発にする「交感神経」と、逆に心臓などの働きを抑えてリラックスさせる「副交感神経」の2種類に分けられ、ストレスを感じると「交感神経」が活発に活動します。イライラしているとき、不安なとき、焦っているとき…そんなとき、いつのまにか呼吸は浅くなっているものです。このように呼吸は、感情によって左右されることがありますが、意識して呼吸を深く行うことで自律神経のバランスをとり、精神を安定させ、ストレスに対する抵抗力を付けることも可能です。
心身のリラックスには腹式呼吸が適している
人は、胸式呼吸と腹式呼吸を使い分けることができます。胸式呼吸は肋間筋と鎖骨の筋肉を使って肺を伸縮させるもの。腹式呼吸は横隔膜というお腹にある筋膜を使って肺の下部を伸縮させるものです。胸式呼吸では、肺の上部・中部までに酸素を届けています。急速に肺の中の空気を入れ替えたい場合には胸式呼吸、心とからだのリラックスのためには、肺の下部まで空気を送り込んで深い呼吸ができる腹式呼吸が適しています。

ヨガが理想とする心身の状態を「上虚下実」(じょうきょかじつ)と言います。上虚とは、上半身はリラックスしている状態のことで、下実とは、下半身(お腹)にエネルギーがみなぎっている状態のこと。腹式呼吸によるゆっくりとした深い呼吸は、からだをこの「上虚下実」の状態に導き、それによって精神的に安定し、自分というものをしっかりと意識することができるようになるのです。

質のよい呼吸のためのポイント

・まず吐くことが大切
深呼吸というと、「吸って、吐いて」となりがちですが、まず大切なのは、肺にある残気を吐いて出すことです。そうすると、自然に息が深く入ってくることに気がつくでしょう。

・鼻から吸う
鼻には吸った空気を浄化する機能が備わっています。鼻を通ることで空気中のほこりを取り、乾燥した空気を適度な湿度に、冷たい空気は適度な温度にしてくれます。それによって、のどや肺にとって刺激の少ない空気になって送りこまれるのです。口から吸った場合には、乾燥した冷たい空気が口から直接体内に取り込まれてしまいます。すると、口腔内と喉が乾燥するだけでなく、細菌も直接侵入し、風邪にかかりやすくなったり、口臭、歯周病などの原因となることもあります。

・「吸う」「保留」「吐く」の比率が4:7:8の「くつろぎの呼吸法」
呼吸は、以下の3つの要素にわかれます。
1.吸う=交感神経の活性(緊張)
2.保留=細胞の活性
3.吐く=副交感神経の活性(弛緩)

呼吸法は目的によってさまざまな方法がありますが、心身のリラックスのためには、アンドリュー・ワイル博士が提唱する「くつろぎの呼吸法」がおすすめです。

※アンドリュー・ワイル博士
ハーブ療法をはじめとする代替医療の第一人者。
主な著書に『癒す心・治す力』『人はなぜ治るのか』『ナチュラル・メディスン』など。


まず、ため息のような吐く音が聞こえる程度に長く吐く。

口を閉じて、鼻から静かに息を吸いながら、心の中で4つ数える

息を止めた(保留息)状態のまま7つ数える。

ため息のような音をたてながら、8つ数える間に口から細く長く息を吐く。

各自の呼吸の幅で、「吸う」「保留」「吐く」を4:7:8の比率にすることがポイントです。
慣れてきたら、4:7:8の比率のまま、さらにゆっくりと深く呼吸するといいでしょう。
ヨガの教室などでは、呼吸の際、吐くときも鼻からと指導されることが多いのですが、慣れないと鼻から息を長く吐くことは難しいものです。呼吸法の効果を優先して考えた場合は、吐くときは口からにしたほうが、ゆっくり長く息ができます。やがて腹筋力が強まるとしっかりとした鼻呼吸ができるようになってくるでしょう。
ここがポイント!
日々の呼吸を意識して、心とからだを健康に!
呼吸法はいつでもどこでも、道具もいらず、お金もかからずにできる健康法です。そして、日々呼吸を意識して生活することで、からだに、そして人生に大きな影響をもたらします。「深く、長く、力強い呼吸」と、「浅く、短く、弱い呼吸」とでは、長い間に“生きる力”や“エネルギー”に差が出てくるでしょう。忙しい毎日を送る人は、仕事の合間に「ハァー」とゆっくり息を吐く時間を持つことから始めてみてはいかがでしょうか。
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