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“心の風邪”をこじらせない、予防と対処法 「うつ」のこと、正しく知ろう
監修:医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」
精神神経科 河本卓也
こころとからだの元氣プラザ
1.うつとは?〜「うつ状態」と「うつ病」
誰にでも機嫌の良い日や悪い日があり、やる気が出なかったり、気分が沈んだりイライラすることもあります。通常、このような「うつ状態」は一時的なもので、自然と健康な状態に戻るもの。しかし、この心のSOSに対してきちんと対処することができないと、長く続いてしまい、精神的・身体的にもかなりの苦痛を伴ってくるため、「うつ状態」から抜け出せなくなってしまう・・・これが「うつ病」です。
誰でもが「うつ病」になる可能性がありますが、女性は男性の倍の発症数で、ホルモンが要因のひとつではないかと考えられています。
うつ状態の特徴
初期症状として、元気がない、食欲不振、眠れない、やる気がおきないなどのうつ状態が表れます。また、考えが前向きに進まなくなり、仕事や勉強も能率が上がりません。そのため、本人は周囲に迷惑をかけていると思い、仕事などを一生懸命やろうとしますが、気力が出ないのでやはりできない状態になってしまいます。通常はこのような症状が表れて「なんとなく、うつ」と感じても長くは続かず、ストレスを発散したり、リラックスを心がけることで自然と健康な状態に戻ります。最近よく耳にする「プチうつ」は、医学的には「軽症うつ」とされるもので、20〜30代を中心に近年増加傾向にあります。
「プチうつ」について詳しくはこちら >>
うつ病の特徴
うつ状態が2週間以上続き、身体的・精神的な苦痛がとても強く、日常生活に支障をきたしている場合、うつ病と診断されます。「軽症うつ」をそのまま放っておいて本格的な「うつ病」になってしまうケースも。治療を受けないと半年から数年、症状が続きます。 うつ病にみられる主な症状は下記のとおりです。
(1)身体症状
睡眠障害:なかなか寝つけない、夜中に何度も起きてしまう、朝早くに目が覚めてしまう、よく眠れた感じがしない、眠りすぎる、など
食欲がおきない
体重の減少
疲れがとれない、いつも疲れている
便秘
動悸、めまい、頭痛
味覚がなくなる(砂をかむような感じになる)
月経異常
性欲減退
思考・判断力、集中力、記憶力の低下
(2)精神症状
ゆううつ
気分の落ち込み
わけもなく涙があふれてくる
やる気がおきない、おっくう、気力がわかない
何に対しても(今まで興味をもっていたことについても)関心がもてない
  ※以上の症状は日内変動といって、一般的に朝〜午前中に強く感じる傾向にあり、夕方になると多少回復します。
不安やあせり、イライラ感
自分や世の中に対して否定的な考えをもつ
悲観的、絶望的な考えを抱く
自信がない、無価値感、劣等感、自責の念
罪悪感
死ぬこと(自殺)を考える
妄想や幻覚(※重症の場合にみられる)
(3)行動
口数が少なくなる
仕事に行くことができない
外出を嫌う
人と接することを避ける
身の回りのことに気を配らなくなる(着衣、化粧等)
緩慢な動き
表情が乏しくなる
なお、食欲不振、倦怠感、疲労感、眠れないなどの身体的症状が主で、精神的症状があまり見られないケースもあります。精神症状が隠れていることから「仮面うつ病」という病名がつけられています。内科で診察を受けても特に原因がわからない場合に、心療内科等の受診をすすめられて、はじめて診断されることが多いうつ病の一種です。
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