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HEART
  こころのSOS
提供・監修:ピースマインド
失感情症の傾向はありますか?
ストレスと環境
今回は、まずストレスと環境との関係から話しましょう。

あるメーカーでの話です。
職場ごとにストレス調査をすると、都心にある本社よりも、地方にある工場の従業員の方が、「ストレス認識度」(どういうことにストレスを感じるかの項目数)が高いことが分かりました。
その内容としては「職場の人間関係」や「晴れか雨かの今日の天気」「自動車通勤時での道の混雑」といった、ちょっとした出来事がストレッサー(ストレス反応・状態を引き起こす刺激)として認識されているようでした。
さらに、"地方の従業員は、ストレスを数多く認識するが、その感じ方の程度はさほどではない"ということも明らかになりました。これは、表現を変えると「ちょっとした嫌なことはあっても、1つ1つは大したことではない」ということです。

現代の生活でストレスがゼロになることはありません。が、「ほんの少しイライラする」程度のストレスであれば、家に帰ってお風呂につかったり、一晩眠ればすっきりして忘れてしまい、次の日まで尾を引くことはあまりありません。

それに対して、仕事の納期直前の状態(=ストレッサーの程度が大きい状態)では、睡眠不足や体が疲れていたり、夕食がおいしくなかったり、といったことがあると、それらすべてにストレスを感じるものです。そのため、外界への反応が少し遅れがちになります。

人や情報であふれている都市部で働く人は、物理的・心理的に忙しく活動しているため、自身や周囲をゆったりと見渡すことができず、いつの間にか注意できる許容量が少なくなり、ちょっとしたことに強いストレスを感じる傾向があります。

うつ病と心身症
つまり、ストレス認識度とストレス強度には、ストレス認識度が低いとストレスを強く感じ(都市型ストレス状態)、認識度が高いと感じ方は弱い(地方型ストレス状態)という関係があるのが分かります(林峻一郎、1994)。これは、非常に興味深いことです。

一方、この傾向が当てはまらない場合もあり、それは別名"ストレス関連疾患"とも呼ばれている「うつ病」や「心身症」の状態です。前者はストレスを感じる認識度も強度も高く、後者はどちらとも低い傾向があります。

ストレスに対する反応が総じて低い心身症の中でも、さらに2つのタイプがあります。
1つ目は、身体症状への気付きが乏しい「失体感症」です。かなりの高血圧の状態でも「自分は健康体だ。何も気になる個所はない」という感じ方をするタイプです。
2つ目は、自分の感情の気付きに鈍く感情を言語化できない「失感情症」です。周囲から見ると、「こんなにはっきりとストレスがあるのに、どうして本人が自覚できないのだろうか」と思うような人や、本人と話をしている中で「どうも気持ちが伝わってこない」という違和感で分かります。
失感情症の傾向テスト

さて以下に、「失感情症(=アレキシサイミア)の傾向」に関するチェックリストを挙げました(アレキシサイミアスケール:東邦大学)。
質問に対して、「はい」か「いいえ」をメモしてください。

(1) 少年、少女時代、ちょっとした盗みをしたことがある。
(2) よく、みぞおちの当たりに不快感がある。
(3) 時々、ものをたたきつけたくなる。
(4) 病気になるのがあまり気にならない。
(5) 花屋になりたい。
(6) 空想にふけることはほとんどない。
(7) 以前は日記を付けていた。
(8) 退屈すると、何か騒ぎを引き起こしたくなる。
(9) 新聞記者になりたいと思う。
(10) 科学が好きである。
(11) じっと座っていられないくらい、気持ちが落ち着かないときがある。
(12) 失恋したことがある。
(13) 時々、物事がうまくいっていないのに、理由もなく有頂天になる。
(14) 「顔かたち」がもっと良ければよいのにと、気に病むことはない。
(15) 新聞記者だったら、スポーツニュースを大いに報道したい。
(16) 時々、たまらなく家出をしたくなる。
(17) お金と仕事のことでくよくよと考える。
(18) 時々、眠れなくなるほど興奮する。
(19) 機会さえあれば、私は非常に世の中のためになることができる。
(20) 異性に心が引かれる。
(21) 嫌いな人が叱られたり、罰を受けたりするといい気味だ。
(22) 小便の回数は普通である(特に多い方ではない)。

これは、感情を発散することができるかどうかといった失感情症の性格傾向をチェックすることが目的で、病気の診断ではないことをおことわりしておきます。
もし失感情傾向があった場合は、まずは「自分の中に、これまで不快な感情がなかったか」「そして、それらの感情を知らず知らずのうちに、心の奥の方にしまい込んだりしていなかったか」「周囲の期待に応えるために無理や我慢をしていなかったか」について、丁寧に自分の内側に意識を向けてみましょう。

採点方法
質問番号
はい いいえ
2/4/6/14
1点 0点
そのほか
0点 1点
採点結果
12点以下
「失感情」の傾向なし
13〜16点
どちらともいえない
17点以上
「失感情」の傾向あり


そして次のステップとして「自分の感情(喜怒哀楽のいずれも)は、大事なものである」と認識しつつ、少しずつでいいですから、気持ちを表現する練習をしてみましょう。
このとき、「急がず少しずつやる」ことがポイントです。失感情症の方は、自分自身の心をある時期から凍らせてしまったため、急速に解凍するようなやり方を安易にしてしまうと、自分ではコントロールできないほどの感情が痛みや苦しみを伴ってあふれ出てしまうこともあります。
このような状態には「カウンセリング」が助けになり、長年心の中で凍りついていたさまざまな感情を、ゆっくりゆっくりと溶かしていく作業を行っていきます。
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