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  こころのSOS
提供・監修:ピースマインド
頑張りすぎる人を突然襲うバーンアウトとは

バーンアウト(burnout)はストレスと並んで、読者も耳にしたことが多い言葉であると思います。ここでは事例を通して、バーンアウトを具体的に考えてみましょう。

システムエンジニアのAさん(32歳)のケース
■Aさんの1日
早朝に目を覚ますと、習慣から自宅にあるパソコンのスイッチを入れる。前日やり残した仕事のチェックをするためだ。コーヒーを飲みつつ、1日の予定を頭の中でイメージする。どうやったら、手早く作業を進められるか、途中ミスはなかったかなど。自宅で仕事モードに頭を切り替えているため、職場に着くとほかの同僚たちがタバコで一服しているあいだに、早々に仕事に取り掛かる。そしてそのまま、勢いに乗って夜10時近くまでペースを崩さず作業を進めていく――。
Aさんいわく「1つの仕事を任されると、納期が迫っているかどうかに関係なく、とにかく素早く仕上げたいのです。ある特定の仕事に割く時間が長引けば長引くほど、次第に飽きて嫌になってしまうので」Aさんの話を聞いているだけで、こちらも疲れてしまいそうな仕事の仕方です。休日でも同様に、TOFELや資格取得のための準備に余念がないとのこと。同僚がたまに「突然疲れることはないの、無理してない?」と尋ねてみても「いいえ、忙しくしている方が体調がいいんです」と、Aさんはさらっと答えていたのでした。ところが――。ある大きな仕事がひと山越え、数カ月ほど経過すると、Aさんは突然、仕事もプライベートも何もする気が起きなくなってしまいました。まるでガソリンが切れた自動車のように…。疲れ知らずのAさんにとって、この状態は理解しがたく、混乱の中、カウンセリングルームを訪れてきました。

Aさんが感じた消耗感は、バーンアウトの典型的な症状の一つです。バーンアウトを一言で説明すると「ある日突然、意欲が燃え尽きてしまうこと」。元気で働いている人ほど、バーンアウトに陥りやすく、これまでの意欲まんまんの様子と、その後の落ち込みの落差が非常に激しいという特徴があります。

バーンアウトの特徴は
田尾雅夫氏などの報告(『バーンアウトの理論と実際』田尾雅夫・久保真人著、誠信書房)を参考にまとめると、バーンアウトの特徴は以下の通りです。
1)消耗感または疲労
バーンアウトに陥った際に最も典型的にあらわれる。例えると弾力のあったゴムが疲弊し伸びきったような状態。単に体が疲れ果てたということにとどまらず、もう何もする気力がなくなったという意味で情緒的な消耗感といえる
2)人と距離を置く姿勢
上記のような消耗感から自分を守るために人との接触を制限し、場合によっては突き放すような態度を取ったりする。個人を十把ひとからげにし、人を物のように扱う。一方“人とのやりとりのわずらわしさ”から逃れるために事務処理に集中することも特徴の1つである
3)個人的達成感の後退
するべきことを成し遂げたという気分が実感できず、あるいは実感できそうもないと予期することで、なおのこと達成感が得られないという傾向である。マイヤー(1983)は環境と個人の相互作用に着目し、個人の頑張りは特に称賛されず、一方で失敗すると自己の責任が問われるという“割の合わなさ”が意欲を乏しくすることを示唆している
バーンアウトの状態は、個人の性格に加えて環境との相互作用で生じます。そのため、1人ひとりに合った対処法を紹介するのは難しいというのが現状です。ただ、「バーンアウト」のことを知識として頭に入れておけば、Aさんのように“時すでに遅し”となる前に“いつもの自分と違う感じ”(体や心のSOS)をキャッチすることができます。頑張りすぎる傾向のある人は、こういう症状があるということを認識しましょう。
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