| ここで、心理学者メーラビアンの研究(『Silent messages』、『Nonverbal Communications』)を紹介しましょう。
コミュニケーションで人の印象を決定する要素のうち、言葉(話の内容)の割合は全体のわずか7%にすぎません。人の印象にとって主要な要素は、言葉よりもむしろ「態度や物腰(身振り手振りも含む)」でした(全体の55%)。2番目は「話し方(声のトーン、話すスピード、呼吸、間の入れ方など)」で38%という結果が出ています。これらは電子的に伝えられない、「アナログ情報」とも呼ぶことができます。
それを基に上記のA氏の事例を検討し直すと、パソコンを介した顔が見えない関係性の場合、画面上の言葉の情報――つまり7%プラスアルファ程度しか伝わらないことになります。そうなると当然情報不足になり、受け手の主観的妄想が膨れ上がることで、電子メールやネット上の関係は、いつもちょっとしたことでアクシデントが起こりやすい可能性を含んでいるといえるでしょう。
私たちにとって便利なものであるはずだったインターネット。しかし、そのネットやメールに乗って、生活や仕事の中にストレスが入り込んでくる時代になったといえます。
上記のことから、私たちはいまや、現在の三種の神器の1つともいえるパソコンやインターネットを、場面、状況、相手などによって、臨機応変に使い分けていくことが求められています。つまり、新しいストレスに対する身のかわし方として、時には電話をかけたり実際に会って話し合ったり、といったアナログ的なかかわりの必要性を自覚することが望ましいのです。
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