ヘルストピックス

2011年1月6日

カラダメンテ

禁煙治療
[きんえんちりょう]

禁煙に挑戦しては、1週間たらずでまたスモーカーに戻る…、よく聞く話ですね。タバコを自分の意思だけで止めるのは至難の業。やめたいのに、どうしてもやめられない方にいま注目されているのが、禁煙外来。一定の要件をみたせば保険適用も受けられる禁煙治療とはどんなものでしょうか。

禁煙のために治療が必要?

タバコをやめられないのは、意志の弱さではなく、ニコチンのもつ強い依存性に侵されていることが原因です。ニコチン依存症と診断されれば、治療が必要な病気となります。病気は意志の力だけで治せるものではありませんから、ご自分の健康のために、早めに治療を受けるのが得策です。

●ニコチン依存症のチェック

次の設問で「はい」(各1点)の合計が5点以上の場合はニコチン依存症と判定されますが、最終的なニコチン依存症の診断は医師が行います。

  • 1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
  • 2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
  • 3.禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
  • 4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。
    • イライラ・眠気
    • 神経質・胃のむかつき
    • 落ち着かない・脈が遅い
    • 集中しにくい・手のふるえ
    • ゆううつ・食欲または体重増加
    • 頭痛
  • 5.上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
  • 6.重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
  • 7.タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
  • 8.タバコのために自分に精神的問題(注)が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。
  • 9.自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
  • 10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

健康保険で禁煙治療を受けるには

●保険適用の要件

健康保険で受けられる医療機関で受診し、次の要件を全て満たす必要があります。
事前に医療機関にお問い合わせのうえ、受診してください。

  • 1.ニコチン依存症を診断するテストで5点以上
  • 2.1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数=200以上
  • 3.1カ月以内に禁煙を始めたいと思っている
  • 4.禁煙治療を受けることを文書で同意している(→問診票などに、日付や自分の氏名を書きます。)

全国禁煙外来・禁煙クリニックー覧(日本禁煙学会)
http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html

●禁煙治療にかかる費用

健康保険適用となった場合、自己負担3割として、処方される薬にもよりますが、約3カ月間で12,000〜17,000円程度です。
これをタバコに換算すると、1箱400円のタバコで30箱〜42箱分となり、1日1箱吸う方なら、1ヶ月分程度の額となります。

禁煙治療の流れ

健康保険を使った禁煙治療では、12週間で5回の診察を受けます。最初の診察で、健康保険で治療が受けられるかをチェックし、禁煙治療のスケジュールが立てられます。毎回の診察では、禁煙補助薬の処方を受けるほか、息に含まれる一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)の濃度を測定したり、禁煙状況に応じて医師のアドバイスを受けることができます。

禁煙治療の流れ

●禁煙補助薬

ニコチンパッチやニコチンガムは、禁煙中、タバコの代わりにニコチンを補給する代替療法として薬局でも取り扱われていますが、医師が処方する新しい禁煙補助薬で、ニコチンを含まない飲み薬が注目されています。イライラなどのニコチン切れ症状を軽くするほか、タバコをおいしいと感じにくくします。

禁煙のメリット

健康面では、肺がんや心臓病などのリスクが低下し、ご自身やご家族など周りの方の健康を守れることはもちろんですが、金銭面では1ケ月30箱(1箱400円)を吸っていた方の場合、単純に1ケ月12,000円程度の支出を減らすことができます。将来的にみれば、個人でかかる医療費も、国や健保組合が負担する医療費も削減でき、社会的損失が抑えられます。
女性の喫煙は、妊娠中であれば胎児への影響、不妊や骨組しよう症などにも影響があると言われています。またタバコを吸うことで、目じりやロ周りのしわが増え、実際の年齢よりも老けて見えるようにもなります。歯や歯ぐきの着色、ロ臭、白髪、頭髪の脱毛なども伴います。健康はもちろん、美しくあるためにも禁煙をオススメします。

※このページに掲載されている情報は、2011年1月6日現在のものです。

解説してくれたのは

小池田 崇史 先生
平成14年 日本医科大学医学部医学科卒業
平成16年~現在 芝パレスクリニック勤務

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