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ヘルストピックス

2011年11月17日

カラダメンテ

免疫力を高めて
感染症に負けない身体をつくる

風邪などの感染症に感染しやすい人、感染しにくい人、その違いは身体の抵抗力(免疫力)に関わっていると考えられています。免疫の仕組みを知って、風邪やインフルエンザに負けない身体をつくりましょう。

身近な感染症

感染症とは、細菌やウイルスなどの病原体が体内に入り、様々な症状を引き起こす病気のことです。誰もが一度はかかったことがある風邪も感染症の一つですが、身近な感染症として下表のものがよく流行します。
病原体に感染することは、その病原体に対する免疫力を獲得する機会でもあるため、人にとって必要なことともいえますが、同じ環境下でも感染する人と、感染しない人がいます。その違いは、体の抵抗力(免疫力)に関わっていると考えられています。

●流行しやすい感染症

感染症 病原体 好発時期
好発年齢
予防
ワクチン
の有無
疾患別情報など
インフルエンザ インフルエンザウイルス 冬から春 ○(※) 厚生労働省/インフルエンザ対策
麻しん(はしか) 麻しんウイルス 春から初夏
1~12歳
○(※) 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
風疹 風疹ウイルス 春から初夏
1~9歳
○(※) 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
百日咳 百日咳菌 春から秋
1~15歳
○(※) 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
結核 結核菌 通年
高齢者
○(※) 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
水痘
(水ぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルス 冬から春
1~9歳
国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
感染性胃腸炎
(ノロウイルス)
ノロウイルス 冬季 × 厚生労働省/感染症情報
腸管出血性
大腸菌感染症
(O-157等)
腸管出血性大腸菌O157、O26、
O111等
夏季 × 厚生労働省/感染症情報
手足口病 コクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)等 夏季
1~4歳
× 厚生労働省/感染症情報
RSウイルス感染症 RSウイルス 冬から初春
0~6歳
× 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報
マイコプラズマ肺炎 肺炎マイコプラズマ 通年
1~15歳
× 国立感染症研究所感染症情報センター
/ 疾患別情報

(※)予防接種法により、定期予防接種が定められている。

体の防衛システム「免疫」とは

免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵から身体を守る機能のことで、役割の違う2つの防衛システムで成り立っています。

●自然免疫

1つは「自然免疫」といい、私たちの身体に生まれつき備わっている機能です。
例えば皮膚から出る汗、口から出る唾液、のどや気管から出る粘液、胃から出る酸性の胃液、腸にいる大腸菌などがあり、身体の各部で外敵が体の中に侵入するのをブロックします。
また、侵入してきた外敵に対しても、炎症などで抗戦し外敵を処理します。この任務は、血液中に含まれる白血球の一部が担っています。傷口から出てくる膿は、外敵と戦った白血球の残骸なのです。

●獲得免疫

自然免疫では処理しきれない外敵が現れると、もう1つの免疫、私たちが生まれてから経験によって手に入れる「獲得免疫」が働き出します。外敵の特徴や弱点を認識して的確に攻撃、さらに抗体を作りだして外敵を無力化するという役割があり、血液中に含まれる白血球、主にリンパ球が中心となって働きます。
また、作り出した抗体は体内に残るため、同じ敵が攻めてきたときに素早く攻撃できるようになります。一度かかった病気にかかりにくくなるのはこの抗体が働くからです。
病原体を敢えて体内に入れ、病気にかかった状態をつくるワクチン注射も、この獲得免疫のシステムを活用したものと言えます。

免疫の主役は「白血球」=「免疫細胞」

私たちの身体は、さまざまな細胞によって作られていますが、免疫の任務を担う「白血球」も実は細胞の一種で「免疫細胞」と呼ばれています。免疫細胞(=白血球)は血液の中にあるので、身体のいたるところに存在し、全身をガードしてくれています。

●免疫細胞の種類

一口に免疫細胞といっても様々な種類があり、各々に役割があります。ここでは身体の中で働く代表的な免疫細胞を紹介します。

  • 外敵を食べる<マクロファージ>
    体内に侵入してきた病原体(細菌やウイルス)を捕食し消化します。
  • 情報を司令塔に伝える<樹状細胞>
    体内に侵入してきた病原体の特徴を認識し、戦いの司令塔であるT細胞などにその特徴を伝えます。
  • 感染細胞を攻撃する<リンパ球:NK(ナチュラルキラー)細胞>
    その名の通り生まれつきの殺し屋で、全身をパトロールしながらウイルスに感染した細胞を即攻撃します。
  • 戦いの司令塔<リンパ球:T細胞>
    樹状細胞などから病原体の情報を受け取り、マクロファージやNK細胞、B細胞などに病原体と闘うよう指令を出します。
  • 抗体を作って敵を攻撃する<リンパ球:B細胞>
    T細胞の指令によって抗体を作りだし、病原体を直接攻撃します。さらに病原体を記憶して次の闘いに備えます。

免疫力アップにつながる食品

免疫細胞が最も多く集まっている場所は腸で、細菌やウイルスを攻撃する抗体の多くも腸で作られます。そのため気をつけたいのは、腸内の働きに即影響を与える毎日の食事。白血球の増加と活性化を促す、下記の食品群をできるだけ摂取しましょう。

  • 野菜/豆類… キャベツ、大根、なす、トマト、大豆など
  • 果物… バナナ、スイカ、パイナップルなど
  • 香味野菜… ニンニク、ねぎ、ショウガなど
  • 菌類… 乳酸菌、ビフィズス菌、きのこ類
  • 海藻類… わかめ、ひじき、海苔など
  • 貝類… あさり、はまぐり、しじみなど

年齢に応じた免疫力を維持するための生活習慣

免疫力は40代でピーク時の半分以下になるとも言われ、年齢とともに低下していきます。
日々の生活習慣を改め、生活の基本となる食事、運動、休息をしっかりと整えていくことが大切です。

  • 栄養バランスに気をつける
    外食を避け、野菜中心のバランスの良い食事が理想です。免疫力を高める食品を積極的に摂りましょう。
  • 適度な運動をする
    運動は体温を上げ免疫力を高めるために欠かせません。無理なく適度な運動を継続していくことが大切です。
  • 早寝早起き、ぐっすり眠る
    睡眠中は免疫細胞の働きがとても活発になり免疫力が高まります。深夜型の生活を続けると免疫力は弱まる傾向にあるので気をつけましょう。
  • 禁煙する
    喫煙は免疫機能を低下させるだけでなく、がん発生を誘発することが明らかになっています。早めの禁煙をお勧めします。
  • ストレスをためず笑って楽しく過ごす
    強いストレスにさらされると、免疫細胞の活性が下がり、好きなことをしたり、笑ったりすることで免疫細胞の活性が上がるとされています。心が穏やかに過ごせる時間を作りましょう。
  • 身体をよく温める
    低体温は免疫力を弱めます。冷房や冷たい飲み物などの摂取はできるだけ避け、暖かい飲み物や入浴などで身体を温めるようにしましょう。

※このページに記載されている情報は、2011年11月17日現在のものです。

解説してくれたのは

青木りう子院長
青木りう子院長
1976年 東邦大学医学部卒業(医学博士)
2000年 新橋青木クリニックを開設
所属学会 日本内科学会 認定内科医/日本循環器学会 循環器専門医/日本透析学会
笑顔と親しみやすさが特徴のクリニック。「安心して受診ができ、ご来院された方には安らぎを感じられる施設」を目指し続けている。

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