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ヘルストピックス

2011年10月20日

カラダメンテ

知って予防する「インフルエンザ」

空気が乾燥してくると、インフルエンザが猛威をふるい始めます。インフルエンザは風邪の症状と似ていても、感染力が強く重症化しやすいため、甘くみていると死に至ることもある怖い病気です。正しく知って、感染から身を守りましょう。

似て非なるもの「インフルエンザ」と「風邪」

インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする感染症で、主に発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感といった症状が現れます。風邪とよく似ていても、症状が重く、肺炎を併発したり、持病を悪化させたりすると、最悪の場合は死に至る怖い病気です。

●インフルエンザと風邪との違い
  インフルエンザ 風邪
原因(病原) インフルエンザウイルス ・ウイルス(ライノウイルス、アデノウイルスなど)
・クラミジア菌
・マイコプラズマ菌
・細菌
感染力 強く、急激に増加する 弱く、徐々に増加する
主な症状 発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感など 発熱、頭痛、鼻水、くしゃみ、喉の痛み、咳など
症状の進行 全身に、急激に、強く 局所に、ゆるやかに、軽く
発熱 38~40度(3~4日間) ないか、37~38度
合併症 中耳炎、気管支炎、肺炎、脳症など めったにない

インフルエンザの種類

インフルエンザは、季節性とされるものとして大きく「A型」「B型」「C型」の3タイプに分けられます。このうち大規模な流行を起こし問題になるのはA型です。
A型はさらに、ウイルスの種類によって「Aソ連型」と呼ばれる「H1N1」、「A香港型」と呼ばれる「H3N2」などがあります。
A型のウイルスは人間以外に鳥や哺乳類にも広く分布しているので、渡り鳥などによって地球規模で運ばれ、感染を繰り返す中で遺伝子変異を起こします。それが偶然人に感染すると、やがて新型インフルエンザの発生となります。2009年に発生した新型インフルエンザ()はAソ連型が変異して流行したものでした。

※2011年3月に厚生労働大臣は、大部分の人がそのウイルスに対する免疫を獲得したこと等により、感染症法に基づき新型インフルエンザと認められなくなった旨を公表し、4月1日以降は季節性インフルエンザとして扱い、その名称を「インフルエンザ(H1N1)2009」としている。

●なぜインフルエンザは何度もかかる?
ある種のウイルスが体内に入ると、通常は体内の免疫システムが働いて、このウイルスを退治して抗体を作るため、2度目の感染では発症に至りません。しかし、インフルエンザウイルスは同じ型のウイルスでも、遺伝子レベルでその形状を微妙に変化させ、抗体を上手にすり抜けます。そのため、一度かかって免疫を獲得したとしても、同じ型のインフルエンザに再びかかってしまうことがあります。
A型のウイルスは変異しやすいとされていますが、B型は遺伝子がかなり安定しているので免疫が長期間続き、C型は遺伝子がほとんど変化しないので免疫が一生続くとされています。

感染ルートは人の飛沫(ひまつ)と接触

インフルエンザの主な感染ルートは「飛沫感染」と「接触感染」です。

飛沫感染/接触感染

●飛沫感染
インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみをすることで、ウイルスを含む飛沫が飛びます。それを健康な人が鼻や口から吸い込むと、粘膜を通じてウイルスが体内に入り、感染します。これが飛沫感染です。

●接触感染
インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみを押さえた手で、ドアノブやスイッチに触れると、その場所にウイルスを含んだ飛沫が付着します。そこを健康な人が手で触れ、さらにその手で鼻や口に触れると、粘膜を通じてウイルスが体内に入り感染します。これが接触感染です。

日常生活で有効な予防法

日常生活では、日頃から体調を整えて抵抗力をつけておくことが大切です。 また、インフルエンザウイルスは冬場の乾燥した空気を好むため、加湿器などを使って室内を適度な湿度に保つことも有効な予防法です。

・体力を保つ
バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動で、体力をつけ抵抗力を高めましょう。 また、寒さに対する抵抗力をつけるため、厚着をしすぎない工夫も必要です。

・人ごみを避ける
人ごみは、ウイルスを持っている人の咳やくしゃみの飛沫を吸い込んで、感染する確率を高めます。

・適度な湿度を保つ
インフルエンザウイルスは多湿を嫌います。ウイルスの活動を抑えるためにも加湿器などで室内の適度な湿度を保ちましょう。

・手洗い、うがいをする
手洗いは接触による感染を、うがいは喉の乾燥を防ぎます。冬場に限らず、習慣づけておくことが大切です。

・タバコの吸いすぎに注意する
タバコの煙を吸うと喉や気管支を痛め、ウイルスに対する抵抗力を弱めます。そのため、自分にも周りにも配慮が必要です。

・マスクをつける
マスクはウイルスを簡単に通してしまうので、あまり効果は期待できませんが、インフルエンザにかかった人が他人に感染させるのをある程度防ぐことができます。冷たく乾燥した空気から喉や鼻を守るためにも付けるとよいでしょう。

ワクチンで予防する

最も確実な予防策は、ワクチン接種を受けることです。接種したからと言って絶対にかからないというわけではありませんが、インフルエンザへの感染、または重症化の予防となります。

・接種時期
流行期間が12~3月ですから、11月中旬頃までには接種を終えておくとよいでしょう。
インフルエンザワクチンは、接種してから効果を発揮するまでに約2週間かかります。ワクチンには1回接種と2回接種がありますが、2回接種する場合は2回目は1回目から1~4週間あけて接種します。接種回数の判断は医師の決定に従ってください。

・費用
ワクチン接種は、保険適用ではなく任意のため、接種費用は自己負担となります。1回の接種費用は3千円~5千円程度が目安です。

・受けたほうがよい人
特に、高齢者、心臓や肺に慢性の病気を持つ人、気管支喘息を持つ小児などは、重症化を防ぐためにも医師と相談の上、早めに接種することが望ましいと考えられます。

・ワクチンの型
Aソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の3種類の混合ワクチンが通例です。新型ウイルスが出現しなければこのうちどの型が流行しても効果がありますが、ウイルスの突然変異があると、効果が低下する可能性があります。
日本におけるインフルエンザワクチンの型(製造株)は、国立感染症研究所が検討し、これに基づいて厚生労働省が決定・通達しています。

インフルエンザに感染したかなと思ったら

自分の体を守り、他人にうつさないようにすることが重要です。

・早めに受診する
インフルエンザかもしれないと思ったら、すぐ医療機関で受診しましょう。
発症してすぐであれば、抗インフルエンザ薬で長期化や悪化を防ぐことが期待できます。

・休む
安静にし、栄養と睡眠をとり、身体を休めることが大切です。
出勤は禁物です。欠勤の目安は1週間。
学校保健法では解熱後2日間は登校禁止とされています。

・水分補給をする
水分の補給を十分に行います。お湯やお茶、スープでも構いません。

・マスクをつける
咳・くしゃみなどの症状があるときは、マスクを着用します。

・同居者も注意
同居者も朝晩は検温して、大幅な体温の変化に気をつけてください。

重症化しやすい人は特に注意

重症化や合併症を引き起こす可能性が高いのは次の方々です。日ごろから予防を心がけるだけでなく、重症化を防ぐためにも医師と相談の上、早めにワクチンを接種することが望ましいと考えられます。

・高齢者
・妊婦
・小児
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心疾患、糖尿病といった持病のある方



※このページに記載されている情報は、2011年10月20日現在のものです。

解説してくれたのは

青木りう子院長
青木りう子院長
1976年 東邦大学医学部卒業(医学博士)
2000年 新橋青木クリニックを開設
所属学会 日本内科学会 認定内科医/日本循環器学会 循環器専門医/日本透析学会
笑顔と親しみやすさが特徴のクリニック。「安心して受診ができ、ご来院された方には安らぎを感じられる施設」を目指し続けている。

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